あるRTWPC達 第18話 昨日の敵は今日の…友?

どうも、毎度お騒がせしておりますチコラブです。
今日は、あるクエストに参加しています。
このクエスト、ランダムに選ばれた相手とともにゴールを目指すと言うものなんです。
ですが困った事に、選ばれた相手が…
「ハハハ、喰らえモンスターめ!わが巻けん、『メガ勇者ブレード』を!」
…そう、其処でかっこつけてトレントに雷鳴刀ぶち込んでる馬鹿なんですよ。もう泣きそうだ…
「…誤字直せよ」…まさか、奴が味方に回るとは思いませんでした。

始まりは…公式に告知されていたクエストへのカオスワード。
その先のエリアで、沢山のPCが入り乱れていましたね。
今回のクエスト、塔を登っていく、というものだそうなんです。
そうこうしているうちにGMが出て来まして、
「今回のクエストは、少々趣向を変えて二人で遂行してもらう事になります。
 そのため、バランスを二人用に見直し…(中略)
 最後に、パートナーは階層ごとにランダムで決まります。
 では皆さん、それぞれ別の扉に入っていただくようお願いします」
で、僕はカオスゲートから一番遠い朽ちた扉を開けたんですよ。

其処には、森が広がっていまして。
「へえ…」と言い放ち、上空にミニオンを投げたりしてみたんです。
結局、屋内とは思えないような高さまで飛んだので、ミニオンを回収してENを節約。
そして歩き始めると、奴の間抜けな声が聞こえてきたんです。
「うおおおぉぉぉ!!俺様のパートナァァ!早く出て来て俺様を助けろぉぉ!」
…ええ、こう言いながらソヒーたんに追われていたんです。
一応パートナーだし、見捨てるわけにもいかないので…

「…ああもう、俺って本当に運が悪い…」
今は、呑気に走っていく馬鹿に殺意を覚えつつも、階段を探しています。
「わはははは!この勇者様に不可能は無い!」
「…先刻ソヒーに襲われていたのは誰だ?」
「ふん、パートナーが誰か見定める為の作戦だ!
 俺様なら、あれしきの敵など軽くひねり潰せるぐぶわぁ!?」
流石に怒ったのでドロップキック。
「貴様、この超絶美形な俺様の顔を傷物にするつもりか!」
…マジで、凹みますね、これは…

そうこうしているうちに、何とか階段を見つけました。
しかし、その階段の前には…マスタリン。
「ふ、やっと諦めて出てきたか。此処が貴様の年貢の納め時…」
馬鹿にミニオンストライクを力いっぱい投げつけてみたり。
「がふっ、チコラブ、貴様…浦ギルつもりか!」
「邪魔だ退け。それとも、影も残さず吹き飛ばされたいか?」
「き…貴様、この俺様が団長の思い出仲間にしてやっていると言うのに…」
「あーはいはい」全く、中はどんな馬鹿が操っているのかと疑問になってまいりましたね。
さて、そんな考えをしてるうちに僕はマスタリンに近付きます。
笑顔を作り、マスタリンを撫でながら、
「ねえ、君達。ちょっと此処を通らせてくれないかな?
 ただで通らせてくれたら、僕達は君たちに危害を加えないって、約束するよ?」
しかし、マスタリンは、「残念ながら此処を通らせてはいけないと言われている」といった顔で否定のサイン。

そして戦いが始まりましたが…まあ、所詮はマスタリン。
楽に片付け、「なむ…」マスタリン達の残骸に軽く黙祷。
「よし、じゃあ次の階層へ行くぞ!下僕よ、ついてこぶじゃばぁ!?」
なんかムカツクので馬鹿をミニオンで無理矢理上に上がらせてみました。

…階段を上ると、其処は一面の銀世界でした。ええ、見渡す限り銀色。
つい先刻上ってきた階段は無く、代わりに雪だるまが。
「さて、此処のパートナーは…」「チコラブさん?」
振り向くと、アンク君が居ました。
「ああ、アンク君。良かった、変なパートナーじゃなくて…」
「…え?変なパートナーだったんですか?」
「うん、もう下の階層だけでミニオンを何度奴にぶち込んだ事やら…」
「あ、ははは…」

この階層、雪は積もっているものの、雪が固まっていて歩きやすいです。
お陰で、すぐにハティの守る階段に到着しました。
「えーと、ハティは確か…」「火と雷に弱い獣種族。冷気は吸収されるよ」
「…チコラブさん、不味いんじゃないですか?冷気吸収なんて、相性どころじゃないような…」
「大丈夫、これがあるからね」そう言って、左手のロッ…バスターシューターを見せる。
「…そういえば、前の騒動のときにもつけていましたね、それ」
「うん、ちょっとデータ置き場に迷い込んだときに手に入れてね」
少し雑談を交わし、ハティに向き直る。
「さて、それじゃあさっさと倒そうか。」「はい、そうですね」

フレイムブラストやアトミックファイヤーとかを使い、アンク君を支援する。
アンク君は少々驚いていたが、すぐに慣れたみたいだ。
さすが黒月さんに揉まれて多少の事で動じなくなっているのかな。
「…なむ」倒れ、消え行くハティにも軽く黙祷。
「さて、それじゃあ次の階層に行きましょ…」
いきなりの風。いつぞやのように僕の装備しているセイントローブがまくれ、黒のインナースーツが見える。
「え…あ…す、すみません…」「…別に良いんだけどね。パンツじゃなくてインナースーツだし」
苦笑いしながら、顔を赤らめるアンク君に言う。

次の階層は、砂漠。辺り一面、砂漠。
階段のあったところは大きなサボテンが鎮座して、その姿はまるでFF8のジャボテンダー。
パートナーを探して少し歩くと…「げっ、よりにもよってこんなところでか!?」
「あ、アシュさん。はお〜」「…また、砂に潜っていくのか?嬢ちゃん…」
そうだね、と返して砂に潜っていく。
まあ、地中でホードと鉢合わせしてアシュさんを驚かせちゃったりもしたけど、無事に階段の前へ。
「やっぱりドラゴンフライ、か…」砂から顔を出して言う。
「やっぱり…って、どういうことだ?」
「アシュさんは前の二階層、どんなフロアでどんなボスだった?」
「え?ああ、墓場でゴーストリング、密林でエドガだったな」
「うん、やっぱり…フロアの状況に合わせてボスが決まっているみたいだね」
「…なるほどな。確かにそれなら頷ける」
そう言葉を交わしながら、戦闘を始める。

次の階層は…水路。きちゃない水が傍らを流れる中、僕のパートナーは水属性のPC。
ボスは黄金蟲。相性が良かったので秒殺、道中割愛。

「…此処は…シンジュク?いや、似てるようで違うな…」
四階層目では、薄暗い都市。道路にガラスの破片が散らばっている。
「…この階層は冥魔、かなぁ…」漠然とした確信を持ち、パートナーを待ってます。
数秒遅れて、男性がビルの扉を開けてやってきました。
「…ああ、貴方がこの階層のパートナーの方ですか」
「ええ、よろしくお願いします」「はい」

…なんか、怪しい。そう思いつつ雑談しながら階段を探しています。
「よく聞かれますけど、本当に大変なんですよ。アレ作るのは…」
「へえ…ご苦労様ですね、チコラブさん」
「ええ。そういえば、プロメテウスさん…でしたよね?
 この階層のボス…解りますか?」
「…恐らく、冥魔かゴーストリング、かと」
「ですよね…」なかなか次の階層への階段が見当たらない。
ビルの殆どは探索しやすいようになのか壁が崩れているところがあった。
けれども、階段はあれど何故か次の階層に繋がっていないものばかり。
「…あ」「…お」冥魔と、その後ろの真新しいビルを発見。
「それじゃあ、前衛は任せますよ、チコラブさん」
「おっけ、任せてください。奴には光属性があればそれでお願いします」
「解りました」そう言って、僕は冥魔の注意をひく為に突っ込んでいく。

前もってエクソシストにジョブチェンジし、デーモンベインとサンタポリンc3枚を装備していたので、楽勝。
「さすがチコラブさん、お強いですね」「あはは、誉めると調子に乗りますよ?」
ガンスターにジョブチェンジし、いつもの装備をそろえる。
「さて、では…ええ、恐らくあのビルですね…」
そう言葉を交わし、ビルへと歩き出す僕たち。
…でも、何かいやな予感がする。…何も無ければいいんだけど…